女流棋士タイトル戦の一つである第42期霧島酒造杯女流王将戦が、〝大阪狭山対決〞となった。

 現・王将の西山朋佳(にしやまともか)女流王将(25歳)に挑戦する権利を得たのは、室谷由紀(むろやゆき)女流三段(27歳)。共に、大阪狭山市出身で、子ども将棋教室「若駒会」の卒業生でもある。


 幼なじみ対決となった第1局は、西山さんが先勝。しかし、第2局で室谷さんが意地を見せ、1勝1敗の五分に。最終局は、10月30日、東京の将棋会館で行われた。中盤以降、室谷さんの優勢が続き、西山さんは先に持ち時間を使い切る苦しい展開に。室谷さんの勝勢かと思われたが、終盤、室谷さんの痛恨のミスを突き、西山さんが大逆転。155手で西山さんが室谷さんを下し、女流王将初防衛に成功と同時に、女流三冠(女流王将・女王・女流王座)の維持にも成功した。

 一方の室谷さんは、今回5度目のタイトル挑戦であったが、悲願の初タイトル獲得は、またもお預けに。自身のTwitterで、「なんであの手を指したのだろうと、悔やんでも悔やみきれません」と、終盤の痛恨のミスについて胸中を吐露した。50年にわたり「若駒会」を主宰し、2人を指導した南徳一さん(84歳・池尻自由丘)は、「いつか若駒会出身同士でタイトル争いをと夢見ていたが、いざ実現してみると、複雑な気持ち」と、親心をのぞかせた。「西山さんは子どもの頃から天才型で、他の子にないものがあった。室谷さんは〝普通の子〞だったが、コツコツ積み重ねて女流三段にまでなった。室谷さんは、諦めずに努力し続ければ誰でも強くなれるということを、子どもたちに示してくれたと思う」と、2人の健闘をたたえた。