労基署の指摘後も

 健診などの保健事業に従事する看護師らをボランティアとして扱い、雇用関係を結んでいなかったとして、堺労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けた堺市が、依然として監督署の指摘を受け入れず、看護師らを労働者として認めていないことがわかった。市は、労基署から支払いを求められた有給休暇分の賃金を「謝礼金」と言い、「有償ボランティアとの間には雇用関係はない」との立場を崩していない。こうした市の姿勢に「なぜ、現在働いている看護師らと、そのまま雇用契約を結べないのか」と疑問の声が上がっている。

 市は1987年から、健診業務に携わる短時間労働の看護師らを「保健医療業務協力従事者」と呼び、雇用契約を結ばずに有償ボランティアとして扱ってきた。これに対し堺労基署は昨年12月、業務は労働だと認め、有給休暇を申請した看護師に法定の賃金を支払うよう是正勧告した。

 これを受け、市は勧告通りに賃金を支払ったが、労基署に対する報告では「謝礼金」と記載し、有償ボランティア扱いのまま。

 さらに、4月以降の雇用についても「協力従事者制度を廃止し、新たな制度で雇用する」とし、これまで働いてきた看護師らに対し、雇用や労働条件について配慮する必要はないとしている。

 また、これについて登録看護師が労働組合を通して団体交渉を求めたところ、市は説明には応じたものの、「協力従事者とは雇用関係にない」などとして、交渉には応じていないという。

 市の河盛俊生健康医療推進課長は「協力従事者制度について、市は労働としてとらえてこなかった。今回、労基署から指摘を受けたので制度を廃止し、市の規則に沿った雇用を行う」と説明している。これに対し関係者からは「従来の制度をもとにした雇用制度を新設すべきではないのか」との指摘もある。

 

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