百条委、これで幕引き

 竹山修身前堺市長の政治団体の政治資金収支報告書に多額の記載漏れが見つかった問題に関連し、前市長竹山氏側の資料提出の拒否について、理由に正当性があるかどうかを審議。出頭拒否と11件の資料提出拒否について「正当性なし」と判断した。

 これを受け、百条委は12月15日に委員会を開いて竹山氏らの告発を決め、本会議で議決される予定だ。最終的な調査報告書は来年2月にも公表される見込み。

 これで、昨年6月の百条委設置以来、続けられてきた調査は終結。竹山氏の政治資金の全体像の解明と市政への信頼回復という目的を達成できないまま、幕引きが図られる。

 この問題は昨年2月、NHKが「竹山氏の後援会の政治資金収支報告書に記載漏れがある」と報じて発覚。その後、政治団体の記載漏れの総額は約2億3千万円に上った。竹山氏は同年4月に市長を辞職。11月には、大阪地検特捜部に政治資金規正法違反で略式起訴され、大阪簡裁から罰金100万円の略式命令を受けた。

 証人喚問には今年1月に出席したが、その後は要請に応じていない。

党利党略で目的を果たせず

解説・山本裕

 昨年6月の設置以来、1年半にわたって調査を続けてきた百条委員会だったが、結局、ほとんど目的を果たすことなく、幕引きを図ることになった。

 今回の百条委の目的は、表向きには竹山前市長の不透明な政治資金の収支を明確にし、市民の市政への信頼を回復することだった。

 しかし、実際には百条委の権限は自治体の事務に関することに限定され、政治資金まで調査するのは難しい。また、百条委の設置には各会派の政治的思惑が色濃く反映され、全会派が協力して真相解明に当たるという雰囲気にも乏しかった。

 こうした状況を踏まえ、本紙は昨年7月4日付紙面で「真相解明ができるか不透明」「政治的パフォーマンスに終わる可能性もある」と指摘した。

 これについて、委員の長谷川俊英市議は「残念ながら、市民が求めた真相究明は果たせなかった。竹山氏自身が言明した説明責任と良心に期待したが、前市長は名誉を捨て、疑惑を隠す道を選んだ」と指摘した。

 百条委の表向きの理由は真相解明と市民の信頼回復だが、各会派にとっての真の目的は「政争の具」に過ぎなかった。維新は竹山氏を追及する姿勢を見せて、他会派を「真相解明に後ろ向き」「竹山氏とグル」と攻撃したかっただけであり、他会派は維新にそうした攻撃をされないよう委員会設置に応じただけだ。

 「設置に反対すれば、竹山氏をかばっていると攻撃されるだけだった。しかし、最後は『協力してもらえなかった』と告発して終わらせるしかない。市民からの批判は甘んじて受ける」と市議の一人は苦しい胸の内を明かした。

 一方、委員会を主導した維新は、証人喚問の場に竹山前市長らを引きずりだすことしか考えず、池田克史委員長は自らのSNSで「(百条委に)限界があるのは当然。やれるだけのことをやってきただけ」と開き直る始末。市民が百条委に寄せた期待を、どう考えているのか、疑問が残る。

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