大阪狭山市出身の女流棋士・西山朋佳さん(24歳)。現在、女王・女流王座・女流王将の3つのタイトルを持ち、将棋界初の女性棋士に最も近い存在として大注目の女流プロ。この彼女を幼少の頃から指導したのが、南徳一さん(84歳・池尻自由丘)だ。

 少年の頃から将棋が大好きだったという南さん。32歳の時、「子ども達がいつでも将棋を楽しめる場所を」と「若駒会」を設立。建具職人として働きながら、ボランティアで子ども達に将棋の指導を始めた。

 南さんの指導のモットーは「技術よりも気持ち」。真剣さのない態度には厳しい声がとんだ。すると、落ち着きのない子も集中力を持って盤に向かえるように。それがしつけにも良いと評判を呼び、多くの子どもが南さんの元を訪れた。その中には先述の西山女流三冠の他、同じく女流プロとなった谷口由紀さん(26歳・大阪狭山市出身)もいた。

 88年、小学生の団体戦「すくすく王将杯」では全国優勝。一人も有段者のいない中、全員有段者のチーム相手に“気持ちで”勝った。また、中学生の団体戦では大阪府で10連覇を達成。故米長邦雄氏は将棋誌で「人品骨柄が申し分ない上に、指導方法も当を得たもの」と南さんを絶賛した。

 7年前に大病に倒れてからも、ペースを落として自宅や公民館で指導を続けている。兄妹で指導を受ける寺田龍平くん(第七小5年)と雪姫さん(同1年)は、家でも将棋に夢中。最近は父を負かすほどに成長した。「将来はプロになりたい」と雪姫さん。管惣海くん(東小4年)は「終盤に相手を追い詰めていくところが楽しい」と頼もしい。取材中も「そんな気持ちの入っていない手はダメだ!」と随所に南さんの指導が入る。

 「子どもに将棋を教えるのが生きがい。まだまだ頑張ります!」と気概あふれる南さんだ。

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